日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年7月18日人の成長を促す『ほめことば』を使おう!


★人をほめられない人は意外に多い


「私は部下をほめることがなかなかできません。どうしたら気持ちよく人をほめることができるのか、分からないんです」
先日、ベーシックコースの見学に来られた方がこんな話をされました。確かに、私が接してきた管理職の人にも「人をほめることができない」という人がかなりいました。
私も実は数年前までは、なかなか人をほめることができませんでした。一旦ほめてしまうとその人は勘違いして努力や反省をしなくなるのではないか、という恐れを感じていたからです。しかし、今では遠慮なく人をほめることができるようになっています。それは日本話し方センターと関わるようになって、ほめ方がわかったからです。今回は人をほめるポイントについてお話します。



★良い点と改善点を分ける


人をほめるポイントの1つ目は、人の良い点と改善すべき点を分ける物事を分けることです。
人をほめるには良い点を見つけなければなりません。しかし、私たちは往々にして改善すべき点にばかり目が行ってしまい、ほめるべき点は見過ごしがちです。その結果、次のように言ってしまいます。
「なんであなたはミスばかりするの? 何度言ったら分かるの?」
しかし、良い点と改善すべき点を分けて考えると、このような言い方ができます。
「資料を期日通りに仕上げてくれたし、文章も大切なことが漏れなく書かれていてわかりやすいね。ただ、数字の見直しをキチンとしないと今回のようにお客様に迷惑をかけるからその点、注意してね」
人を注意する場合でも良い点を見つけ、それを伝えてから注意すべき点を言えば、相手も受け入れやすくなります。


 

★具体的にほめる


2つ目のポイントは、具体的にほめることです。
「君、仕事できるね~」
「あなた、すごいわね~」
「話、うまいね!」
よく聞くほめ方ですが、実はこういうほめ方をされてもほめられた方はそれほど嬉しくはありません。何をほめられているのか曖昧だからです。「本当にそう思っているのかなぁ」と疑ってしまうこともあります。


「この資料、簡潔に個条書きにしてくれたのでとても分かりやすいよ」
「さっきの会議の説明、ポイントを抑えていて理解しやすかった」
「今日の君のスピーチは具体例を言ってくれたのでとても分かりやすかった」
このように何が良かったのか具体的にほめましょう。そうすればほめられた人も良かった点が理解できて、そのことを継続しよう、と思えます。ほめるということは、人の才能を伸ばす効果もあるのです。


 

★すぐにほめる


ほめるポイントの3つ目は、すぐにほめることです。
例えば、大口の取引をまとめてきた部下に対して「今度、彼を見かけたらほめてやろう」などと考える上司がいます。しかし、その部下は今、自分の成果に喜びを感じているはずです。部下がその気持ちでいる時にすぐに電話をして
「あの難しい案件をよくまとめたね! やったね!」
とほめれば、部下の喜びは倍増して、また頑張ろう、と思えるでしょう。
いいな、と思ったことはその場ですぐにほめましょう。


 

★感謝を伝える


最後のポイントは、感謝を伝えることです。
ほめるという行為は、一般的な言い方をすれば、目上の人が目下の人にする行為です。社員が社長をほめたり、部下が上司をほめたりすることは通常はありません。こういう相手にはほめるのではなく感謝の気持ちを伝えましょう。
「先輩の会議での発言、いつも分かりやすくてとても勉強になります。ありがとうございます!」
感謝を伝えるようにすれば、上から目線にならないし、相手にも伝わりやすいです。ほめるのが適切ではない人にはぜひ感謝を伝えましょう。


 

★人間関係をよくする話し方も学べます!


今回はほめるということについてお話しました。日本話し方センターのベーシックコース2日間集中コースでは、相手に伝わる話し方だけでなく、ほめことばなどの人間関係をよくする話し方の講義も行っています。また、スピーチ実習でも講師は、人間関係をよくする話し方を意識したアドバイスを行っています。その成果は多くの受講生が実感しています。ぜひ受講者の声をご確認ください!

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